板碑(旧騎西町指定有形文化財)

 板碑は石製の供養塔で、鎌倉時代から室町時代にかけて造られました。当寺には十四基の板碑があります。これほど多くの板碑が現存するのは、古く、武蔵武士として活躍した多賀谷氏が、この辺りに館を構えたことによるものと推測されます。

 中央の一番大きな板碑は旧騎西町最古で全国でも6番目に古い、造立は鎌倉時代前半の天福二年(1234)です。正面に梵字(古代インドの文字)で胎蔵界大日如来の種子(しゅじ)阿字を刻み、月輪(がちりん)で囲んでいます。蓮座との間に大きな空間を設け、側面に紀念銘を刻む異なった造りになっています。

 そのほか特殊なものに、阿閦如来種子(あしゅくにょらいしゅじ)を刻んだ板碑(右から4番目)、武士などの名を連ねた交名板碑(左から4番目)など貴重なものがあります。

扁額

 この額は本堂正面に掲げています。右から「無量壽」と読みます。「無量壽」とは阿弥陀仏のことを言います。大福寺には阿弥陀堂が以前ありましたので、そのお堂に掲げられていたものかと推測されます。

※この額は扁額(へんがく)といいます。神社仏閣等の入口に掲げられています。お寺にあるものを寺額とも言います。